サステイナブルな事業へ
転換するための取り組み
駐車場事業は今岐路に立っています。その根本的な理由は、駐車場事業が依って立つビジネスモデル自体が、時代の要請に合致していないという点にあると考えています。
順を追って説明します。
ひとつ目は、小売りを中心にキャッシュレス決済が急速に普及している中で、駐車場で提供される決済手段の大半が「現金(キャッシュ)」であるという事実。二つ目は、スチール製の機器である料金精算機、駐車券発行機、カーゲート等の設備が必須であり、おおよそ10年毎にそれらを廃棄・更新しているという事実。三つめは、毎日大量の紙製品(駐車券やサービス券など)を消費・廃棄しているという事実。四つ目は、管理者側の視点として、イニシャルコスト(設備機器への投資)と維持管理(集金、消耗品費等)コストがかかりすぎるという事実。
以上は結局のところ、DXやSDGsへの取り組みに欠けるという点に起因するものといえるでしょう。
私たちは、駐車場ビジネスは社会にとって必須のものであると考えていますが、それをサステイナブルな事業へ転換するため真摯に取り組んでまいります。
私たちが考えるキャッシュレスパーキングの形
その
基本の形
私たちは、キャッシュレスパ―キングがその本領を発揮するには、フルキャッシュレス決済でなければならないと考えています。街中のコインパーキングで、精算機にキャッシュレス決済装置が横付けされている場面をよく見かけます。過渡期ではやむを得ないことかもしれませんが、徹底していないことおびただしいと考えます。
私たちは、精算機を設置しないフルキャッシュレスパーキングの設置に積極的に取り組んでいます。コインパーキングでは特に導入が容易だと考えます。
すべての人を対象にしようと考えると踏み切れないかもしれませんが、私たちはコインパーキングでキャッシュレス決済をしたいと考えている人だけをターゲットにしたシンプルで使いやすい駐車場を構想します。
マーケティング的に言えば「専門店化」するということです。
その
チケットレスとの関係
キャッシュレス決済とチケットとは必然的な関係にはありません。チケットは、精算する人(車両)を特定するための手段ですから別の手段を選択することでチケットレスは可能となります。
例えば、カメラで車番を認識したり、車室在否を判別したりするという方法があります。
キャッシュレスを、駐車場における決済プロセスをよりシンプルに使いやすくする手段と捉えると、チケットレスとキャッシュレスは同時に実現することでより利便性が向上すると言えるのではないでしょうか。
その
利用者の利点
利用者にとって、キャッシュレス決済が便利なことは言うまでもありませんが、さらに利便性を向上させるためアプリのダウンロードを必要としないシステムを構築しています。
自分のスマホで場内のQRコード(ポスター等)を読み取り、車内で決済することも可能です。精算機や事前精算機の前に並ぶ必要もありません。
駐車場内の決済プロセスが劇的に短縮されます。
その
運営側の利点
現金で決済することは、利用者にとっても不便なことですが、管理者にとっても色々なデメリットがあります。
「集金」、「防犯対策」、「機器故障・不具合」は3大デメリットといえます。
キャッシュレスであれば集金する必要が無く、当然防犯対策も不要で、機器故障・不具合等に対応する必要もありません。これらは単に手間がかかるというにとどまらず、当然ながらコストにも反映しますから利用料金の押し上げ要因にもなります。フルキャッシュレスパーキングにする利点は、管理者にとっても劇的な効果が見込めるのです。